一期一会。−2−
「…その手に持ってんの、何?」

『あ、これですか?』

俺の手には、一枚の写真らしきものが握られている。

そして、それに写っているのは…。

『彩羽様のブロマイド写真です!!』

キリッといつになく真剣に言い切った。

離れていても崇められるように、極秘で入手したのだ。

ちなみに今持っているブロマイドには、黄鳥高校の制服を着た彩羽様が写っている。

笑顔の写真を手に入らなかったが、いつか実際に見たいからそこまで気にしていない。

他にも写真はいくつかあるが、どれも美しく可憐で目の保養だ。

こういう時に、金持ちの家に生まれたことをありがたく思う。

俺は推しの彩羽様を愛でるためなら、家だってなんだって動かす。

由宇は表情を無にしたまま、目にも止まらぬ速さで、俺からブロマイド写真を奪い取った。

『ああっ!?』

じっとブロマイド写真を見つめて、それから俺に冷ややかな眼差しを向ける。




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