一期一会。−2−
2【ファンクラブ爆誕】
『くっそ、古立和!覚えてろよ…っ!』
誰もいない屋上で、思いっきり叫んだ。
入学式で、式辞を読まされたせいで、
私の穏やか高校生ライフはボロボロだ!
ー…事の発端は、一時間前。
入学式が終わり、いよいよ学生生活が
幕を開けた次の日。
きっちり時間を守って登校した私を
待っていたのは…地獄だった。
校門を通り抜けて、すぐ目の前に現れた
謎の女子集団。
『…えっ?』
ズラッと、私の前に両サイドで列になる
女子達に戸惑う。
花道?何故?
新手のドッキリか何かかな、と固まる。
すると、一人の女子高生が、私の前に
跪き、ニコッと笑って見上げてくる。
さ、桜ヵ谷エミリ…っ!
嫌な予感しかしないぞ!?
「おはようございます、彩羽様。
僭越ながら、私、本日から、
“彩羽たん親衛隊”を作らせて
頂きました」
様付け、だと…っ!?
どこの世界の姫だよ!