一期一会。−2−


まぁ、でも、気持ちだけで十分嬉しいよ。


『気にしなくていいよ。

 写真送るし、お仕事頑張ってね』


写真は…気分で決まるけど。

出来る限り明るい声で励ましたら、
余計辛くなったのか泣き声が増す。

うわぁあ、と悔し泣きが聞こえてきた。

…え、追い打ちかけた?私…。

…てか、何時までこんなコントみたいなことしてんだろ。

入学式、始まっちゃう。


『じゃ、そういうことだから切るね!

 行ってきまーす!』

「えっ、ちょっ…!」


言いかけた言葉を無視して、切り上げさせてもらった。

ピッと通話終了ボタンをタップ。

そのまま電源ごと落とす。

これで煩くないかな?


(恩師に対して薄情な弟子だった)


準備して早めに出ないと、黄鳥若干遠いし
遅刻してしまう。

中学の時は、堂々と遅れてしまったけど
高校はそうもいかない。

出来るだけ目立たずに達成すべき目的が
あるから。



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