一期一会。−2−
ー「アンタのことなんて、アウトオブ眼中
 なのよ」


毒舌が凄くて、割と心に刺さった。

眼中にもないとか…言いすぎだろ。

まぁ、疑う心は一瞬でなくなったけど。

組の若頭に媚びを売るどころか、そこまで啖呵切る奴はこれまでにいなかった。

じゃあ、何で俺を知ってるんだ、と
途方に暮れていたら彩羽は、指を立たて
しっかりと答えた。

彩羽は、入学式で代りに式辞を読んだ
らしい。

てことは、二番なのか…コイツ。

頼人も、俺に負けてないくらい成績が
好かったはずだけど、彩羽のほうが
上だったか。

目立つのは嫌らしく、顔を顰めていた。

…でも、その顔は何にしたって
目立つだろうな。

俺は組の若頭でもあるし、目立つのも
当たり前で暮らしていたけど、
コイツみたいな一般人の美少女は
嫌なのか、と思って密かに驚いていた。



< 44 / 244 >

この作品をシェア

pagetop