一期一会。−2−
「残念…、俺は本気だったのに」

と最後に、デカい爆弾を投下した。

なっ!?

心底びっくりする私に、頼人は
「何でもない」とうまく誤魔化して、
話を変えた。

あまりに自然で、今さっき言われたことが
全て幻想か何かかと疑った。

私の空耳だったりして?

頼人が、私のことを、女として好き?

…いやいや、そんなわけないよね。

私達友達だもんね!

和は、そんな親友を、何か言いたげに
見ていたけど、頼人はお構いなし。

告白の話は、それ以上何も進むことがなく
静かに消えていった。



ー時は放課後。

私はいつも通り、ドルチェ(カフェ)に
遊びに来ていた。

「いらっしゃい」

『こんにちは、亮さん』

「制服、本当に似合ってるね」

『ありがとうございます』

亮さんは、にこにこしながら、私を
褒めてくれる。

お礼を言って、席へと向かった。

今日は…っと、え…?

「…こんにちは、彩羽ちゃん」

どうして、ここに?



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