一期一会。−2−


髪型まで決めちゃって、カッコいいけど。


なんで、ここにいるの!?

夢か…とドアを閉じようとしたら、
ガッと足が挟まれた。


『ひっ』


悲鳴が漏れる。

警察かヤクザか!


「無視すんな、さっさと行くぞ」


足を入れたのは由宇だった。

夢じゃない、これは、現実!?

行くぞって、誘拐でもするつもり??


朝から目眩がしそう。


今日、そういえばどこの高校も入学式だっ
け…。

当然、関係のない2年生はお休み。

つまり、眼の前のこの人達は暇人ってこと。

行っても生徒会くらいだよね。


とうとう私のこと拉致しだしたか…。


渋々ドアを開けると、外へ出て
家の鍵を閉める。

3人は、制服姿の私をまじまじと眺めてきた。

…何なの、この人達は。


「可愛いね、入学式に行こうか」


葵は、にっこり笑うと、私のことを褒めて
何か余計なことを付け足した。


“入学式へ行こう”!?


ん?ちょっと待て、それって…。



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