一期一会。−2−
『…で?何でオシャレしたいの?』
俺が女好きどうこうの話は、とりあえず置いといて、元の問題へと還る。
オシャレなんてしなくても、彩羽ちゃんは素材が良いし、大丈夫そうだけど。
…というよりも、それ以上目立ったら本当に危険だと思う。
俺とかがいるから、悪い虫が近づいてこないのであって。
この子、どうしたら危機感というものを知るんだろうか。
彩羽ちゃんは、「馬鹿にしない…?」と上目遣いで聞いてきた。
可愛い仕草も無作為なんて。
小悪魔だよね。
『しないよ』
…内容にもよるけど、なんて。
彩羽ちゃんは両手を後ろに組むと、大変言いづらそうに話してくれた。
「…私、今までろくにオシャレとか気にしてなくて。
でも、高校生だし、そろそろヤバいかなって、思ったの。
だから、時雨はモデルみたいだし、
センスも良いから、ぜひ指導していただけたらなぁって思いまして」
つらつらつら、と述べられた。
…つまり、女子力を磨きたいってこと?