あんなに好きだったのに。


高校3年生になると、律稀くんとクラスが離れてしまった。

もう私への関心がなくなってしまうんじゃないかってすごく不安だった。

律稀くんは前からモテていたけど、より一層女の子に囲まれることが増えた気がする。



それでも放課後は迎えに来てくれて、それだけが唯一、付き合ってるんだって実感できた。

でもやっぱり女子と喋っている律稀くんを見ると、自信なんてすぐにどこかに飛んでいく。



ずっと不安で、ずっと苦しかった。



でもこんなこと友達に相談しても、きっと贅沢な悩みだって言われるだろう。

誰にも言えない。






「小春、なんか悩んでる?」



放課後、律稀くんを待っていると、幼馴染の暖が声をかけてきた。

前から元気がないことを気にかけてくれていたみたいだった。

さすがに律稀くんのことは相談できないけど、昔みたいに久しぶりにしゃべれて楽しかった。


< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop