あんなに好きだったのに。


いつものように律稀くんが教室に来たと思ったら、すごく不機嫌そうだった。

すぐに律稀くんに近寄るけど、より一層顔をしかめしまった。

どうしよう…。



「ごめん俺、気分悪いから先帰るわ」

「あ、そっか…」



ただ漠然と律稀くんの後ろ姿を見ていると、その冷たい背中に耐えきれなくなって、廊下を走って逃げた。

私、律稀くんの気に触ることしてしまったのかな。



どうしよう。

どうしよう。

別れたくない。



でも私じゃ、律稀くんを笑わせてあげられない。

律稀くんが何を考えているのか、分からない。






ねえ、どうやったら律稀くんは笑ってくれる?





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