あんなに好きだったのに。
結局、律稀くんは私に一度も「好き」と言わなかった。
私はいつしか律稀くんの機嫌を取ることしか、考えられなくなってた。
そのことに気づいてしまったから、これ以上はもう…。
律稀くんと一緒にいた時間はすごくキラキラしていて、かけがえのない時間だった。
それだけは確かで、律稀くんがくれた感情全部が宝物だった。
「…れよう」
「は?なんて言った?」
「だから私たち、別れよう」
律稀くんの反応は意外だった。
すぐに承諾されると思っていたから。
でももう、無理なの…。
「私のわがまま。ごめんね…」
本当にわがままな私でごめん。
律稀くんが一緒にいて笑顔になれる、そんな女の子と幸せになれますように。
大好きだったよ。
end.