あんなに好きだったのに。
学校の帰り。
「今日はクレープ食べに行こうよ」
「別にいいけど」
小春は甘いものが好きだ。
俺はそんなに得意じゃなかったけど、別に他に行きたいところもなかったし、いつも小春が行きたいと言った場所に行った。
「ん!美味しい!」
そうやって笑う小春。
そんな小春の笑顔を見ていると、無性に愛おしさが込み上げてくる。
気がつくと俺は、小春にキスをしていた。
この笑顔をこの目に焼き付けておきたい。
そう思いながら小春の顔を見つめる。
小春は告白した時と同じ、目を見開いて驚いていた。
かわいい。
あ、やべ。
別に、今までは付き合ってすぐキスとか、全然平気でしてたし。
だけど、小春に対しては慎重にするつもりだったって言うか。
だから無意識でキスをしてしまった自分をちょっとだけ悔いた。
「クリームついていたから」
「そ…そっか」
小春は耳を真っ赤にさせて、うつむいた。