あんなに好きだったのに。
高校3年生になって小春とクラスが離れてしまう。
俺の知らない小春が増えていくようで、不安だ。
ダサいから本人には言わないけど。
そして俺の方は、クラスの女子たちがひっきりなしに声をかけてくるようになった。
小春と付き合っているというのに。
正直うざい。
甲高い声が耳障りだ。
適当に相槌を打って、そのまま席を立つ。
小春のクラスの前を通りかかると、小春はクラスの男子と喋っていた。
付き合う前のモヤモヤとした気持ちが蘇ってくる。
「何のために付き合ったと思ってるんだよ…」
そう独り言をこぼしてクラスに戻った。
戻った途端に喋りかけてくる女子たち。
どいつもこいつも、正直うんざりだった。