貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
ヒヤッと背筋を流れる。
柔らかい語りの裏にある,確かな冷たさ。
今日は不在のはずじゃ。
そう頭を回転させて,はっと気付く。
私は,繰り返してる?
動けてもいないし,何も変えられてない。
蘭華が早く帰宅したこの日この時間に,私はここに近寄った。
ここは,蘭華の地雷。
見つかってはいけなかった。
「聞いてる? ねぇ君,そこで何してるの?」
蘭華がもう一度問う。
感情の乗らない声に,私は恐怖を感じた。
「これは,お墓,でしょう」
前は不思議に思いながら触れていただけ。
そしてまだよく知らない,組織のトップに立つ男の怒りを感じて,ただ怯えた。
ずっと後で赦してくれたけど。
今は冷静に,落ち着いて,私はきっと話せる。
それを蘭華が許容するかは分からないけど。
「どうしてそう思うの?」
「幼い頃,こっそり飼ってた猫が逃げ出して,事故に遭ったの。そのお墓を,私はこんな風にして作ったから」
「それで?」
「お祈りを,していただけ。ここは…だれのお墓なの?」
踏み込んだ事を聞いている。
ずっとずっと内側に,踏み込んでいる。
怒る,かしら。
柔らかい語りの裏にある,確かな冷たさ。
今日は不在のはずじゃ。
そう頭を回転させて,はっと気付く。
私は,繰り返してる?
動けてもいないし,何も変えられてない。
蘭華が早く帰宅したこの日この時間に,私はここに近寄った。
ここは,蘭華の地雷。
見つかってはいけなかった。
「聞いてる? ねぇ君,そこで何してるの?」
蘭華がもう一度問う。
感情の乗らない声に,私は恐怖を感じた。
「これは,お墓,でしょう」
前は不思議に思いながら触れていただけ。
そしてまだよく知らない,組織のトップに立つ男の怒りを感じて,ただ怯えた。
ずっと後で赦してくれたけど。
今は冷静に,落ち着いて,私はきっと話せる。
それを蘭華が許容するかは分からないけど。
「どうしてそう思うの?」
「幼い頃,こっそり飼ってた猫が逃げ出して,事故に遭ったの。そのお墓を,私はこんな風にして作ったから」
「それで?」
「お祈りを,していただけ。ここは…だれのお墓なの?」
踏み込んだ事を聞いている。
ずっとずっと内側に,踏み込んでいる。
怒る,かしら。