貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
翌日,遅めの昼食を取りじっくり入浴をした私は,部屋にサムを呼んだ。
久しぶりのお話タイムである。
「……ところで,サム,ほんとに呼んでくれた???」
「あ,ほんとですね……あの人,呼びに行ったときうつむけでぐっすり涎垂らして寝てたんです。声かけてもだめだったので,書き置きしたんですけど……」
「まあっ」
私はくすくすと笑った。
そうか,サムはまだ知らないのね。
「カイは1人じゃ目覚めないわ。根気よく声をかけるか,信頼している人や暗殺者でも呼ばなきゃね」
一緒に行きましょうと声をかけると,サムは慌てて立ち上がる。
「サムはカイとどれくらい関わったことがあるの?」
「殆ど初対面と言っても良いくらいです。たまに屋敷をふらついてる程度で,多分向こうは俺のことなんてしらないかと」
考えるように視線をあげたサムは,むむむと眉を寄せた。
「でもすごいですね」
ふいに,サムが私を見る。
笑い声をとめると,サムはにこりと純粋な笑顔を向けた。
「だって,ずっと離れ離れだったのに,お互い大事に想ってるのが伝わります。朝の事だって変わってるかもしれないのに,長年一緒だったみたいに断言するから」
ちょっと妬いちゃいますと,サムは続ける。
そして,自分で言ったくせに,その数秒には照れて弁解を始めた。