貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
「カイ,入るわね」



襖を軽く叩いた。

中で跳び跳ねるような音がして,着地した物体はバタバタと私達に近づく。

ザンッと襖は開けられた。

一瞬目を丸くするも,ボサボサの頭と対面する私。



「おはよう,カイ。もうお昼過ぎよ。起きてたの?」

「ううん,おはようリリー。リリーが来たから目が覚めたんだ」

「そうなの? すごい」



カイは一瞬サムを見て,またすぐに私を見る。



「何しに来たの? リリー。別に用がなくてもいいけどさ」

「久しぶりに話したいなって思って。ごはん食べたら,来てくれる?」

「もちろん。蘭華がだめって言わなかったら,もっと早く俺から行ったさ」



大人しく言うことを聞くんだもの。

私の体調を考慮してくれたんだろうけど,カイにしてはえらい。



「遅くなったけど,こっちはサム。優秀な組織の一員で,最年少。私の友達でもあるの」

「ふぅん?」



それで? と言わんばかりの顔に,私は言葉を続けた。

その顔は,今から自分に関わるなんて思ってもいない。



「カイはきっとサムと気が合うわ。きっとよ。私よりも。だから紹介しておこうと思って」



私の言葉に,カイは怪訝な顔でサムを見る。

サムが年下なのもあるせいか,こいつが? という思考が全て顔に出ていた。



「俺,気が合うなんて思ったの,そんなに回数ないんだけど。でもリリーが言うなら興味あるなー」
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