貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
目の覚める冷たい甘さ。
「美味しいっ! ……それにちょっと,懐かしい気もするわ」
「そうだね,前はマカロンだったかな。またアンナにお願いしよう」
「マカロンは嬉しいけど……前みたいなのは嫌よ。恥ずかしいもの」
今回初めて蘭華と共にした夕食の席,沢山の注目を浴びたこと,私はまだ忘れていない。
「次は凛々彩がしてくれてもいいんだよ?」
「だ,誰もいないときなら」
ちょっとだけ,やってみたい気も……する。
素直な私の返答に,蘭華は笑った。
「っあ。カイ,さっき何かいいかけてなかった?」
そう言えばと声をかけると,カイは小さく口を開けて
「何も」
と答える。
けれど次には
「言葉より行動した方が早いって,分かったから。蘭華,俺ちょっと出掛けてくる」
私へにやりと笑いかけ,三角に飛んで庭から塀を越えてしまった。
「いつもあんな風に出ていくのね,カイ」
見るのは初めてだわと蘭華を見上げると,蘭華は困ったように私を見ていた。