貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
私が聞くと,サムはきょとんと首をかしげた。



「だから,お食事です」

「え?」

「今日のお食事は凛々彩さんととられると,蘭華さんが言いました。こっちです」



私の手を引っ張って,示すように歩き出す。

食堂へ立ち入った途端,大きくざわめきが広がった。



「あれが?」

「へぇ,そんじゃそこらじゃ見つからない美人だな」



これは,まさか…



「サム,サム。もしかして」



蘭華は私を,自分の女だなんて言ってるんじゃないでしょう?

サムは私が訊ねると,そっと耳打ちをする。



「だって,そうなんですよね?」



その瞬間,私はガンッと強く頭を殴られたような衝撃を受けた。



「あいつ,近くねぇか?」

「手ェ握ってやがる。やるなぁはははっ」



人混みを掻き分けながら進んでいると,突然サムが私の手を振り払うように離して,距離をとった。



「あっすいません,ごめんなさい凛々彩さん!」



慌てた様に寄ってきたかと思うと今度は



「もしかして蘭華じゃなくてサムの…」

「ちっ違っ…」


何故か顔を赤くして,最終的に青くなった。



「どうしたの? サム?」



騒がしくて,何も聞こえない。

サムには何か聞こえたのか,青い顔のまま,訴えるように周りを見ていた。

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