貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
中
静かなデートは叶わない。
『そろそろ外に出てみる?』
そう蘭華が私に持ちかけたのは,数ヵ月後の天気の良い朝の事だった。
毎日様子を見に来てくれるので,普段と変わらず迎えた私はとても驚いた。
「いいの? 私が外に出てしまっても」
怪しさ満載の私に,今生もそんな許可が与えられるなんて思ってもいなくて。
つい余計なことを聞いてしまう。
「僕が見てるからね」
ってことは
「蘭華も一緒?!」
私がずいっと前に寄ると,蘭華は目を丸くして,楽しそうに笑った。
「予想外な反応だ。そんなに嬉しい? 僕とのデート」
「そうゆう訳じゃ……」
無いこともないけど……
だって,蘭華は茶化すように言うけど,私からしたら本当にデート。
もうずっとお屋敷で過ごしていたのもあって,胸がどきどきと高鳴る。
でも,冷静になって,凛々彩。
ここを狙う大胆な敵がいるかもしれないのに,気軽にお出掛けなんていいのかな。
もし蘭華でなく私を狙われたら……
もちろん蘭華は見殺しにすればいい。
でも,それが咄嗟の攻撃なら,蘭華は守ろうとしてしまうだろう。
それに
「そんな時間あるの……? 最近,皆忙しなく動いてるでしょ? 何かあるんじゃない?」