君の花嫁    ~シリーズ番外編 恋のライバルに宣戦布告されました!?~


音楽が流れる中、カメラマンが既に構えていて、色んな角度から写真を撮ってくる。

「卒業したら、ちゃんとした式をあげよう。その時は真琴の好きなドレスや会場で」
「ありがとう。でも、私このドレスがとても気に入ったよ」

そう伝えると、伊織は嬉しそうな表情になった。
二人で並んで何枚も写真を撮った。
そうして、色んな角度やポーズで写真を撮り終えた。
私は伊織にエスコートされながら、控え室に向かう。
そこでホッと一息をついた。
やはり少し緊張をしていたようだ。
でも、とても楽しかった。

「伊織、今日はありがとう。凄く嬉しいよ」

伊織のおかげで素敵な1日になった。
隣に座る伊織はフフッと微笑む。

「俺も、こうして真琴とブライダル写真を撮れて嬉しい」

そう言って、手を取った。

「結婚指輪、卒業したら買いに行こうな」
「うん。やっとずっと着けていられるね」

左手には伊織から貰った婚約指輪が光っている。
学校には着けていけないので、こうした休みの日に着けるようにしていた。
卒業したら、堂々と指輪が着けていられる。
それがとても嬉しくて楽しみだった。

「こうしてドレスやタキシードを着ると、結婚しているんだなって実感する」

伊織はポツリと呟くと、キリッと表情を引き締めた。
そして真琴の前に片ひざをつく。

「我、この者を妻とし、健やかなるときも病める時も、これを愛し敬い共に助け合い、その命の限り真心を尽くすことを誓います」

そう言って、手の甲にキスをした。

「私も! 誓います」

そう宣言し、二人でふふふと笑いあった。

「ねぇ、誓いの言葉なんか違くない?」
「大筋は合ってるはずだけど、まぁ適当だから」

本当の誓いはまた本番でとっておこう、そう伊織と約束をした。

これからの未来が楽しみで仕方がない。
どんな家庭を築こうか。
どんな喧嘩をしようか。
良いことも悪いことも、全てを含めてこの人と歩んでいく。
それはとても、ワクワクするような未来だ。



END





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