干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 美琴は、まん丸になった目のまま本を凝視した後、副社長を振り返る。

 そして思わず副社長の手を取りぎゅっと握った。


「副社長ー! この人達、すごいです!」

「ちょ、ちょっと友野さん。落ち着いて……」

 副社長はそう言いながら、頬を真っ赤にしている。


 その時、また副社長室の扉が勢いよく開く。

「卸問屋のピックアップできましたよ……って、どうした?!」

 資料を手に持った部長が、室内の様子に驚きつつ入って来た。


 そしてゆっくりと副社長の隣に腰かけながら、テーブルの上のムック本に目を落とす。

「お! これ。コウモリランでしょ? 結構流行ってるみたいで、卸のホームページにもいっぱい載ってましたよ。板付け用のグッズとかも売ってて……」

 部長の言葉が言い終わらない内に美琴はまた叫んでいた。


「ここ! テレパシーのグループですか?!」
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