干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 良く晴れた週末、美琴は再びあの山奥の駅に立っていた。


「美琴ちゃん! おはよう」

 後ろから明るい声が聞こえ振り返ると、相変わらず(まばゆ)いほどのイケメンが立っていた。

「水上さん! 今日はありがとうございます」

「じゃあ行こうか」

 雅也に促され、美琴は渓谷行きのバスに乗った。


 “今週末に遊歩道整備の、ボランティアがあるんだけど行かない?”

 雅也から連絡が入ったのは数日前だった。

 メールを見た美琴は飛び上がって喜び、すぐに返事を送っていた。


 バスを降り、他のボランティアメンバーと合流する。

 今日の参加者は15名程だった。


「夏場は植物の成長が早いから、あっという間に緑の海みたいになっちゃうんだよね」

 美琴は水上に教えてもらいながら、伸び放題の雑木や草、ツルを刈る作業を手伝う。

 他にも枝や木の伐採から、遊歩道の丸太の置き換えなど作業は多岐に渡った。

 あっという間に、美琴の手元の袋も枝や草で満杯になる。
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