干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 森山さんのお店は、お祝いに駆け付けた人達でごった返していた。

 美琴達は、入り口からそっと中を覗く。


「や、やっぱりコウモリランが、いい仕事してるね」

 滝山がこそっと美琴に耳打ちする。

「本当に! 作った甲斐があるよね」


 お店に一歩入った瞬間、最初に目につく場所に一番大きなコウモリランを飾った。

 そして窓枠の上に、部屋を囲むように作った棚には、アイビーやシダをぐるりと這わせて額縁の様に演出した。


「皆さん! 今日はありがとうございます!」

 森山さんが美琴達に気がつき、入り口から笑顔で手招きする。

「オープンおめでとうございます」

 美琴はラッピングした鉢植えを手渡す。

「わぁ。ありがとうございます! これも素敵ですね。早速、レジの所に飾らせてもらいます」

 森山さんは鉢を大事そうに抱えた。

「おめでとうございます。大盛況ですね」

 森山さんの笑顔を見ながら、副社長が声をかける。
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