干物のミカタ ～副社長！ 今日から私はあなたの味方です！～

　“こんばんは。今度の週末の展示会は、美琴ちゃんの会社も出展するのかな？　俺も見に行く予定だから会場で会おうね！”


「やっぱり……！」


　メッセージを読んだ美琴は、思わず息を呑んだ。

　そして、あの渓谷で雅也に出会った時に感じたことを、もう一度思い出す。


　――やっぱり、水上さんがSNSの人なの……？！


「やっぱり？」

　すると突然後ろから声が聞こえ、美琴はびくっと跳ね上がった。


　振り返ると、目の前に副社長の笑顔が飛び込んでくる。

「び、びっくりさせないでくださいよ」

　美琴は顔を真っ赤にしながら、口を尖らせる。

「いや。一応入り口で声はかけたんですけど、なんだか深刻そうだったもので」

　副社長はそんな美琴の様子を見て、楽しそうに言った。

　美琴は照れ隠しに目を逸らせながら、スマートフォンを机に置く。