干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

波乱の前

 今日からいよいよ、三日間の日程で展示会がスタートする。


 会場は、所狭しと各企業のブースが立ち並び、朝から多くの人でごった返していた。

 美琴達グリーンデザインインターナショナルのブースは、小さめのブースが集まる一画に割り当てられていた。

 会社のパネルを掲げ、見本の鉢や資料を並べて準備をした。


 ふと美琴は会場の真ん中、ひと際目立つ位置にあるブースに目がとまる。

「あそこ、やたらと大きいですね」

「あぁ……例のとこよ。例の!」

 東がカウンターに資料を並べながら、美琴が指さす方をチラッと横目で見た。

「例の?」

 首を傾げる美琴の隣に、しかめっ面をした部長が仁王立ちする。


「トータルだよ! トータルグリーン!」

「え?! そうなんですか?!」

「相変わらず派手だよなぁ。あそこはやることなす事……」

「ふーん」

 美琴は、大勢のスタッフが準備に取りかかっている、大きなブースを遠くから眺めていた。
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