干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
憧れの人?
美琴は雅也の後についてブースを出た。
――副社長、困ったような顔してた……。
雅也について行かない方が良いのではないか、そんな気持ちもあった。
それでも、雅也のあの悲しげな瞳が気になったのは本当だし、「弁解したい」という雅也の話を聞きたいと思ったのも本当だった。
美琴は前をゆっくりと歩く、雅也の背中をそっと見上げる。
いつもサファリハットの後ろで結ばれていた長めの髪の毛は、今日は下ろされ、雅也が歩くたびに右に左にと艶やかに揺れた。
やはり雅也は歩いているだけでも目立ち、周囲の注目を集めていた。
「あの、どこまで行くんですか? みんなが見てます……」
美琴の言葉に振り返った雅也が、苦笑いを返す。
「渓谷の時とは大違いだね。ものすごく距離を感じる」
「だって! 笑い事じゃないですよ……。まさかトータルの副社長だなんて」
「そうだね……笑えないよね」
雅也は寂しそうな瞳で美琴を見つめていた。
――副社長、困ったような顔してた……。
雅也について行かない方が良いのではないか、そんな気持ちもあった。
それでも、雅也のあの悲しげな瞳が気になったのは本当だし、「弁解したい」という雅也の話を聞きたいと思ったのも本当だった。
美琴は前をゆっくりと歩く、雅也の背中をそっと見上げる。
いつもサファリハットの後ろで結ばれていた長めの髪の毛は、今日は下ろされ、雅也が歩くたびに右に左にと艶やかに揺れた。
やはり雅也は歩いているだけでも目立ち、周囲の注目を集めていた。
「あの、どこまで行くんですか? みんなが見てます……」
美琴の言葉に振り返った雅也が、苦笑いを返す。
「渓谷の時とは大違いだね。ものすごく距離を感じる」
「だって! 笑い事じゃないですよ……。まさかトータルの副社長だなんて」
「そうだね……笑えないよね」
雅也は寂しそうな瞳で美琴を見つめていた。