干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
二人はイベントブースから一歩奥に入り、バックヤードまで歩いて行った。
イベント最終日の夕方ともなれば、そこは作業をする人がまばらにいるだけだった。
「驚かせてごめんね。会社のことも、俊介たちとの事も……」
雅也はバックヤードの壁際に立ち、背中を壁に預ける。
美琴もちょこんと隣に立った。
「どうして黙ってたんですか? 私がグリーンデザインで働いてる事は知ってたのに……」
睨みつける美琴の目を、雅也は上から真っ直ぐに見据える。
「じゃあ言えるの? 美琴ちゃんなら言えたの? 俺はそんなに強くない……」
「え……」
雅也はふっと息を吐くと美琴から目を離し、壁に頭を預けて上を向く。
「俺はずるい奴なんだよ。あそこにいる時だけが自分自身に戻れた。美琴ちゃんと一緒にいる時は素直になれたんだ……。ずっと言わないでいられるならって、そう思ってた……」
イベント最終日の夕方ともなれば、そこは作業をする人がまばらにいるだけだった。
「驚かせてごめんね。会社のことも、俊介たちとの事も……」
雅也はバックヤードの壁際に立ち、背中を壁に預ける。
美琴もちょこんと隣に立った。
「どうして黙ってたんですか? 私がグリーンデザインで働いてる事は知ってたのに……」
睨みつける美琴の目を、雅也は上から真っ直ぐに見据える。
「じゃあ言えるの? 美琴ちゃんなら言えたの? 俺はそんなに強くない……」
「え……」
雅也はふっと息を吐くと美琴から目を離し、壁に頭を預けて上を向く。
「俺はずるい奴なんだよ。あそこにいる時だけが自分自身に戻れた。美琴ちゃんと一緒にいる時は素直になれたんだ……。ずっと言わないでいられるならって、そう思ってた……」