干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
自分は、朔人に脅されたことで、頭がいっぱいになっていた。
副社長とプロジェクトを守りたい、そう思ったのは事実。
でも、どうしたら良いのかわからないその不安を誰かに支えて欲しくて、つい雅也に甘えてしまったのだと。
でもそれは、今の会社の状況を考えれば余計な疑いをかけてしまう行動に他ならなかった。
――私は結局、自分のことしか考えてなかったんだ……。
「俺はさ……」
東が優しい声を出す。
「美琴ちゃんが、俊介を裏切ることはないと思ってるよ。でもね。俊介自身は不安なんだよ。今までずっと一人だったからね」
「東さん……」
「美琴ちゃんの本心はどうなの? 雅也のこと好きになってるの?」
美琴はつい叫び出しそうになるのを抑えて口ごもる。
――私が水上さんを好き……? 副社長もそう思ってるの?
美琴にとって雅也は憧れのSNSの人。
その言葉にとらわれて、自分は誰とも真っすぐ向き合えていない気がした。
「私、副社長の所に行ってきます!」
美琴は顔を上げそう言い残すと、副社長室を駆け足で飛び出していた。
「ちょっとお節介が過ぎたかなぁ」
美琴の後ろ姿を目で追いながら、東もふっと息を吐いた。
副社長とプロジェクトを守りたい、そう思ったのは事実。
でも、どうしたら良いのかわからないその不安を誰かに支えて欲しくて、つい雅也に甘えてしまったのだと。
でもそれは、今の会社の状況を考えれば余計な疑いをかけてしまう行動に他ならなかった。
――私は結局、自分のことしか考えてなかったんだ……。
「俺はさ……」
東が優しい声を出す。
「美琴ちゃんが、俊介を裏切ることはないと思ってるよ。でもね。俊介自身は不安なんだよ。今までずっと一人だったからね」
「東さん……」
「美琴ちゃんの本心はどうなの? 雅也のこと好きになってるの?」
美琴はつい叫び出しそうになるのを抑えて口ごもる。
――私が水上さんを好き……? 副社長もそう思ってるの?
美琴にとって雅也は憧れのSNSの人。
その言葉にとらわれて、自分は誰とも真っすぐ向き合えていない気がした。
「私、副社長の所に行ってきます!」
美琴は顔を上げそう言い残すと、副社長室を駆け足で飛び出していた。
「ちょっとお節介が過ぎたかなぁ」
美琴の後ろ姿を目で追いながら、東もふっと息を吐いた。