干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「教えてください。あなたを、追い詰めたのは何ですか?」
副社長の瞳の奥には、鋭い光が見えた。
きっと隠し通すことはできないし、それはするべきではない。
美琴はそう思い、ゆっくりと副社長に向き直る。
「朔人さんに……」
「え?!」
「朔人さんに、脅されました。私と副社長の写真を見せられて、社内にバラまかれたくなかったら、壁面装飾の仕事を他の会社にやってもらえって……。副社長の信用問題になり兼ねないから、よく考えろって」
副社長は、眉間に皺を寄せると額に手を当てた。
「私、副社長の迷惑になりたくなくて……。色々考えてたら、もうどうしたら良いのかわからなくなってしまって」
下を向く美琴の手に、副社長の手がそっと重なった。
「迷惑になんて思わないですよ。きっと……雅也もそう言ったでしょ?」
「え……」
「僕と雅也は似てるんです。……同じ人を好きになってしまうほどに」
副社長の、はにかんだ笑顔を思い出しながら、美琴はエレベーターに乗っていた。
あの後、副社長は用事があるからと、先に美琴を戻させた。
「ど……どういう意味だったんだろ……」
美琴はポーっとなる頬を両手で覆いながら、ふらふらと副社長室に戻って行った。
副社長の瞳の奥には、鋭い光が見えた。
きっと隠し通すことはできないし、それはするべきではない。
美琴はそう思い、ゆっくりと副社長に向き直る。
「朔人さんに……」
「え?!」
「朔人さんに、脅されました。私と副社長の写真を見せられて、社内にバラまかれたくなかったら、壁面装飾の仕事を他の会社にやってもらえって……。副社長の信用問題になり兼ねないから、よく考えろって」
副社長は、眉間に皺を寄せると額に手を当てた。
「私、副社長の迷惑になりたくなくて……。色々考えてたら、もうどうしたら良いのかわからなくなってしまって」
下を向く美琴の手に、副社長の手がそっと重なった。
「迷惑になんて思わないですよ。きっと……雅也もそう言ったでしょ?」
「え……」
「僕と雅也は似てるんです。……同じ人を好きになってしまうほどに」
副社長の、はにかんだ笑顔を思い出しながら、美琴はエレベーターに乗っていた。
あの後、副社長は用事があるからと、先に美琴を戻させた。
「ど……どういう意味だったんだろ……」
美琴はポーっとなる頬を両手で覆いながら、ふらふらと副社長室に戻って行った。