干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
新たな気持ち
美琴を部屋に戻した後、俊介は屋上に残り、腕を組みながらしばらく考え込んでいた。
本当なら、今すぐにでも朔人を殴りに行きたかった。
でもその気持ちを何とか抑えつける。
俊介はスマートフォンを取り出すと、部長の番号をタップした。
ゆっくりと耳に当てると、すぐにスピーカーから部長の渋い声が聞こえる。
「野田です。あの後、何かわかりましたか?」
「はい。システムにフォルダへのアクセス履歴を確認してもらったんですが、やはり専務のアカウントが覗いてますね」
「僕も迂闊でした。専務の権限ならどの部署のフォルダにも簡単にアクセスできる」
俊介は小さくため息をついた。
「今システムに言って、別の権限つきフォルダを作成させています」
「わかりました」
俊介は電話を切ると、一旦ゆっくりと息を吐いた。
専務の目的は、多分プロジェクト潰しじゃないだろう。
そう見せかけての会社の乗っ取り……?
――朔人は単に踊らされてるだけか……。
俊介は眉を寄せると、ふと自分の胸元に手を当てた。
さっきまで、そこに感じていた美琴の温もりを思い出し、そっと抱きしめる。
――プレゼンが終わったら、ちゃんと伝えなきゃいけないな……。
爽やかな秋の風は、優しく俊介の横を通り過ぎて行った。
本当なら、今すぐにでも朔人を殴りに行きたかった。
でもその気持ちを何とか抑えつける。
俊介はスマートフォンを取り出すと、部長の番号をタップした。
ゆっくりと耳に当てると、すぐにスピーカーから部長の渋い声が聞こえる。
「野田です。あの後、何かわかりましたか?」
「はい。システムにフォルダへのアクセス履歴を確認してもらったんですが、やはり専務のアカウントが覗いてますね」
「僕も迂闊でした。専務の権限ならどの部署のフォルダにも簡単にアクセスできる」
俊介は小さくため息をついた。
「今システムに言って、別の権限つきフォルダを作成させています」
「わかりました」
俊介は電話を切ると、一旦ゆっくりと息を吐いた。
専務の目的は、多分プロジェクト潰しじゃないだろう。
そう見せかけての会社の乗っ取り……?
――朔人は単に踊らされてるだけか……。
俊介は眉を寄せると、ふと自分の胸元に手を当てた。
さっきまで、そこに感じていた美琴の温もりを思い出し、そっと抱きしめる。
――プレゼンが終わったら、ちゃんと伝えなきゃいけないな……。
爽やかな秋の風は、優しく俊介の横を通り過ぎて行った。