干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「私は、ずっと変わらず、副社長の味方です!」


 美琴は、東の耳元で大きな声を上げた。

「わぁ!」

 東はわざと大げさにのけ反って驚いてみせ、そのままあははと笑い出した。


「な、何なんですかー? 僕だけ置いていかないで下さいよー」

 つられて一緒に笑う美琴と東の姿を、わけの分からない滝山は何度も首を傾げて見ている。


 美琴はお腹を抱えて笑いながら、ふと副社長や部長の顔を思い浮かべた。

 そして再び、目の前の東と滝山を見上げる。


 ――ちゃんと向き合えて良かった。やっぱり素敵な仲間。そして私の大切な人……。


 美琴はばっと立ち上がると、もう一度ちょんまげをキュッと引っ張り気合を入れ直した。


「よし! やったるぞー」

「おー。美琴ちゃんに気合が入った」

「あ、東さん! 僕も負けませんからね」


 副社長室は、また明るい色に包まれていた。
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