干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「その新プロジェクトが結構難題らしくてさ。失敗が目に見えてるから、それを公の理由に副社長を解任して、子会社に異動させるって話……」
「は?!」
「“泥船プロジェクト”なんて陰で言われてるらしいよ」
「なにそれ……。実の息子でしょ?!」
「息子ったって、前妻の息子! 社長は、今の奥さんとの子供、つまり副社長の弟の方に、ゆくゆくは自分の跡を継がせたいらしいよ。しかも裏で糸ひいてるのは専務って噂……」
「ほんとに?!」
「うわっ……えげつなーい」
「ってか、なに?! あんたの情報網凄すぎ!」
大声で騒ぎだす女性社員を横目に、美琴はトレーに乗った食器を片手に立ちあがった。
――お家騒動なんて、この会社にもあったんだ……。ま、私には関係ない話だけど。
美琴はちょんまげを揺らしながら、小走りでフロアに戻った。
「は?!」
「“泥船プロジェクト”なんて陰で言われてるらしいよ」
「なにそれ……。実の息子でしょ?!」
「息子ったって、前妻の息子! 社長は、今の奥さんとの子供、つまり副社長の弟の方に、ゆくゆくは自分の跡を継がせたいらしいよ。しかも裏で糸ひいてるのは専務って噂……」
「ほんとに?!」
「うわっ……えげつなーい」
「ってか、なに?! あんたの情報網凄すぎ!」
大声で騒ぎだす女性社員を横目に、美琴はトレーに乗った食器を片手に立ちあがった。
――お家騒動なんて、この会社にもあったんだ……。ま、私には関係ない話だけど。
美琴はちょんまげを揺らしながら、小走りでフロアに戻った。