干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
混ざりあう想い
――水上さん、すごく傷ついた顔してた……。
美琴は車の中で聞いた、雅也の話を思い出す。
――きっと水上さんは、初めて自分でやりたいと思ったこの仕事に、今日まで全力をかけてきた。人とまっすぐに向き合いたいという強い想いから……。
それはきっと、副社長や東との関係が、こじれてしまった事への後悔もあるだろう。
美琴は急に、カッと隣に立っている東を見上げる。
「東さんは何もわかってない! 傷ついてるのは水上さんも一緒です!」
「へ? え? 美琴ちゃん?」
突然の美琴の剣幕に、東は訳が分からないと目を泳がせる。
「見積りの事は、水上さんも知らなかったんです……」
美琴はしばらく下を向いて考える。
――私ができる事をしたい……。
そしてぎゅっと拳を握ると副社長を振り返った。
「水上さんは後悔しているんだと思います。副社長や東さんとこうなってしまった事。私は三人にまた笑い合える仲間に戻って欲しいんです!」
「友野さん……?」
「副社長……ごめんなさい。私行ってきます」
美琴はそう言うと、くるっとみんなに背を向け、雅也を追って駆け出していた。
「待って!」
副社長が手を伸ばして声をかけたが、美琴の足は止まらなかった。
美琴は車の中で聞いた、雅也の話を思い出す。
――きっと水上さんは、初めて自分でやりたいと思ったこの仕事に、今日まで全力をかけてきた。人とまっすぐに向き合いたいという強い想いから……。
それはきっと、副社長や東との関係が、こじれてしまった事への後悔もあるだろう。
美琴は急に、カッと隣に立っている東を見上げる。
「東さんは何もわかってない! 傷ついてるのは水上さんも一緒です!」
「へ? え? 美琴ちゃん?」
突然の美琴の剣幕に、東は訳が分からないと目を泳がせる。
「見積りの事は、水上さんも知らなかったんです……」
美琴はしばらく下を向いて考える。
――私ができる事をしたい……。
そしてぎゅっと拳を握ると副社長を振り返った。
「水上さんは後悔しているんだと思います。副社長や東さんとこうなってしまった事。私は三人にまた笑い合える仲間に戻って欲しいんです!」
「友野さん……?」
「副社長……ごめんなさい。私行ってきます」
美琴はそう言うと、くるっとみんなに背を向け、雅也を追って駆け出していた。
「待って!」
副社長が手を伸ばして声をかけたが、美琴の足は止まらなかった。