干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
戸惑い
「水上さん! 待って!」
美琴は雅也の後を追って、閉まりかけたエレベーターに飛び乗った。
「美琴ちゃん? どうしたの……?」
雅也は驚いて目を丸くしている。
美琴は、はぁはぁと肩で息を切らしながらエレベーターの壁に手をついた。
そして気持ちを落ち着かせるように、その手で自分の胸をぎゅっと押さえる。
「もう、無理しないでください。無理に笑わないでください。本当は後悔してるんですよね?」
美琴は今にも泣きだしそうな顔で、雅也を見上げる。
「美琴ちゃん?」
「水上さんのそんな顔、もう見ていたくないです。本当は副社長や東さんとの事だって、後悔してるんでしょ?」
「え……」
雅也の口から声が漏れた。
しばらくして雅也はふっとほほ笑み、エレベーターの壁に背中を預けて天井を見上げる。
「美琴ちゃんには嘘つけないね……。前にさ、初めて父親に反抗したって話したでしょ?」
「はい……」
「今まで間違っていた事を、全部変えたいと思ってた。この仕事にそれをかけてたんだ。でも……結局無理なのかな。健太の言うように汚い手を使うことに慣れ過ぎてしまったのかも知れない」
雅也はふっと、自分を憐れむように笑うと下を向いた。
美琴は雅也の後を追って、閉まりかけたエレベーターに飛び乗った。
「美琴ちゃん? どうしたの……?」
雅也は驚いて目を丸くしている。
美琴は、はぁはぁと肩で息を切らしながらエレベーターの壁に手をついた。
そして気持ちを落ち着かせるように、その手で自分の胸をぎゅっと押さえる。
「もう、無理しないでください。無理に笑わないでください。本当は後悔してるんですよね?」
美琴は今にも泣きだしそうな顔で、雅也を見上げる。
「美琴ちゃん?」
「水上さんのそんな顔、もう見ていたくないです。本当は副社長や東さんとの事だって、後悔してるんでしょ?」
「え……」
雅也の口から声が漏れた。
しばらくして雅也はふっとほほ笑み、エレベーターの壁に背中を預けて天井を見上げる。
「美琴ちゃんには嘘つけないね……。前にさ、初めて父親に反抗したって話したでしょ?」
「はい……」
「今まで間違っていた事を、全部変えたいと思ってた。この仕事にそれをかけてたんだ。でも……結局無理なのかな。健太の言うように汚い手を使うことに慣れ過ぎてしまったのかも知れない」
雅也はふっと、自分を憐れむように笑うと下を向いた。