干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「そんなことない!」
美琴は叫んで大きく首を振る。
「今回の仕事に、水上さんがまっすぐに取り組んだことは、私から見ててもわかりました。社員の皆さんも、あなたを信頼して尊敬してたじゃないですか。水上さんは……」
美琴は一旦下を向いて、ぎゅっと握った両手を見つめる。
そしてゆっくりと顔を上げた。
「水上さんは、私の憧れのSNSの人です。いっぱい励ましてもらった。だから、あなたならできます! もう悲しい顔はしないでください」
美琴の言葉に、雅也ははっとして息を呑む。
「水上さん……?」
雅也はそのままじっと口を閉ざしていた。
エレベーターは二人を乗せてゆっくりと降りて行き、室内には無機質な機械音だけが響いている。
「美琴ちゃん」
「はい……?」
しばらくして雅也は美琴の名前を呼ぶと、正面から美琴の顔を見つめた。
そして美琴の両手を持ち上げて、ゆっくりと包みこむように握る。
「俺はやっぱりずるい奴だね」
「え?」
美琴は憂いを含んだ雅也の瞳から、目が離せなくなる。
「美琴ちゃん……好きだよ」
雅也の口から出たその言葉は、美琴の全身を電気の様に走り抜けた。
美琴は叫んで大きく首を振る。
「今回の仕事に、水上さんがまっすぐに取り組んだことは、私から見ててもわかりました。社員の皆さんも、あなたを信頼して尊敬してたじゃないですか。水上さんは……」
美琴は一旦下を向いて、ぎゅっと握った両手を見つめる。
そしてゆっくりと顔を上げた。
「水上さんは、私の憧れのSNSの人です。いっぱい励ましてもらった。だから、あなたならできます! もう悲しい顔はしないでください」
美琴の言葉に、雅也ははっとして息を呑む。
「水上さん……?」
雅也はそのままじっと口を閉ざしていた。
エレベーターは二人を乗せてゆっくりと降りて行き、室内には無機質な機械音だけが響いている。
「美琴ちゃん」
「はい……?」
しばらくして雅也は美琴の名前を呼ぶと、正面から美琴の顔を見つめた。
そして美琴の両手を持ち上げて、ゆっくりと包みこむように握る。
「俺はやっぱりずるい奴だね」
「え?」
美琴は憂いを含んだ雅也の瞳から、目が離せなくなる。
「美琴ちゃん……好きだよ」
雅也の口から出たその言葉は、美琴の全身を電気の様に走り抜けた。