干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 だだっ広い副社長室のソファに部長、美琴、滝山の順に腰かける。

 不適切発言を、バッチリ副社長に聞かれてしまった美琴は、もじもじと落ち着かない。


「おい、干物。じっとしてろ……」

 部長が美琴を睨みつけた。

「だってぇ……。滝山くん、よく落ち着いてられるね」 

 美琴は隣に座る滝山を、恨めしく見つめた。

「い、いや……顔に、出ないだけ……」

「え?! そうなの?! 全く動揺が伝わってこないよ。神業……」


 騒ぐ美琴に冷たい視線を送りながら、副社長が目の前のソファに座った。


「改めて、野田俊介(のだしゅんすけ)です。お二人に会うのは今日が初めてですね。友野美琴(とものみこと)さんと滝山壮太(たきやまそうた)くん」

 副社長は、静かな声で話し出した。
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