干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
噂話
「干物ちゃんの噂知ってる?!」
「知ってる知ってる! 引き抜きの証拠写真がバラまかれたんでしょ?」
「それより、うちの副社長に近づいてると思ったら、トータルの副社長にも手出してたなんて……」
「トータルの副社長も、すっごいイケメンなんだって!」
「あの干物姿はカモフラージュ?!」
あははと笑いながら好き勝手に話す声が、ロッカー室で響いていた。
室内の会話が聞こえた美琴は、外から扉に手をかけたまま動けずに立ち尽くす。
「と、友野さん?!」
たまたま横を通りかかった滝山が、美琴の様子に気がつき、慌てて手を掴んでエレベーターの前まで引っ張った。
一斉メールはその日のうちに削除されたが、結局一部のメールを見た社員から噂は広まり、今では社内中で面白おかしくささやかれていた。
「も、もう少ししたら噂も落ち着くよ。今はイベントだけに集中しよう。副社長もそう言ってたでしょ?」
滝山は美琴を気づかうように顔を覗き込んだ。
「うん……ありがと」
美琴はエレベーターに乗り込みながら小さく頷く。
「知ってる知ってる! 引き抜きの証拠写真がバラまかれたんでしょ?」
「それより、うちの副社長に近づいてると思ったら、トータルの副社長にも手出してたなんて……」
「トータルの副社長も、すっごいイケメンなんだって!」
「あの干物姿はカモフラージュ?!」
あははと笑いながら好き勝手に話す声が、ロッカー室で響いていた。
室内の会話が聞こえた美琴は、外から扉に手をかけたまま動けずに立ち尽くす。
「と、友野さん?!」
たまたま横を通りかかった滝山が、美琴の様子に気がつき、慌てて手を掴んでエレベーターの前まで引っ張った。
一斉メールはその日のうちに削除されたが、結局一部のメールを見た社員から噂は広まり、今では社内中で面白おかしくささやかれていた。
「も、もう少ししたら噂も落ち着くよ。今はイベントだけに集中しよう。副社長もそう言ってたでしょ?」
滝山は美琴を気づかうように顔を覗き込んだ。
「うん……ありがと」
美琴はエレベーターに乗り込みながら小さく頷く。