干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
メール騒動の次の日、副社長は今後の対応をみんなに説明した。
「とにかく今一番にやるべきは、イベントの壁面装飾を納品日までに完成させることです。友野さんと滝山くんは、それに集中してください。健太はそのサポートを。部長と僕はその他の対応を中心に動きます」
副社長が社長との間でどんな話し合いをしたのか、美琴は聞かされていない。
そしてあの日、副社長の寂しそうな顔を見てから、美琴と副社長の間には少しだけ距離ができてしまった。
「あれ? 美琴ちゃん今日は私服?」
ロッカー室で着替えができなかった美琴が副社長室に入ると、東が珍しそうな声を出した。
その声に話をしていた副社長と部長も顔を上げる。
「あ、東さんっっ!」
滝山が慌てて東の前に駆け寄り、手足をバタバタと動かした。
「あはは。イメチェンです! なんちゃって……」
美琴は、ポンポンのついていない前髪に無意識に手をやる。
「よーし! じゃあ、温室で作業してきますね」
美琴はわざと明るくブイサインを見せると、くるっと扉の方に顔を向けそのまま早足で部屋を出た。
「え? 俺、また変な事言った?!」
美琴が出て行った扉を見つめながら固まる東に、滝山がオロオロしながら顔を寄せる。
「とにかく今一番にやるべきは、イベントの壁面装飾を納品日までに完成させることです。友野さんと滝山くんは、それに集中してください。健太はそのサポートを。部長と僕はその他の対応を中心に動きます」
副社長が社長との間でどんな話し合いをしたのか、美琴は聞かされていない。
そしてあの日、副社長の寂しそうな顔を見てから、美琴と副社長の間には少しだけ距離ができてしまった。
「あれ? 美琴ちゃん今日は私服?」
ロッカー室で着替えができなかった美琴が副社長室に入ると、東が珍しそうな声を出した。
その声に話をしていた副社長と部長も顔を上げる。
「あ、東さんっっ!」
滝山が慌てて東の前に駆け寄り、手足をバタバタと動かした。
「あはは。イメチェンです! なんちゃって……」
美琴は、ポンポンのついていない前髪に無意識に手をやる。
「よーし! じゃあ、温室で作業してきますね」
美琴はわざと明るくブイサインを見せると、くるっと扉の方に顔を向けそのまま早足で部屋を出た。
「え? 俺、また変な事言った?!」
美琴が出て行った扉を見つめながら固まる東に、滝山がオロオロしながら顔を寄せる。