干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
本当の恋に落ちてしまったら “これが恋なの?”なんて思う隙もない程、心がぎゅっと掴まれて離れないものなのだと初めて知る。
美琴は目を閉じて、ゆっくりと息を吸った。
――副社長はいつも私を励ましてくれる。まるであのコバルトブルーの写真みたいに……。
美琴の瞼には副社長の笑顔に重なって、あの自然豊かな渓谷の風景が映っている。
――あれ……? 私、今どうしてそう思ったんだろう。
あのSNSは雅也のもの。
頭ではそう理解しているのに、どこかで引っかかるのは東の言葉を聞いたからだろうか?
美琴はそう考える自分に戸惑い、ふいに両手に抱える荷物を落としそうになった。
「わ……」
慌ててバランスを取ろうともがいていると、後ろからバタバタと駆けてくる足音が聞こえる。
「と、友野さーん……」
美琴が振り返ると、ちょうど息を切らしながらこちらへ向かって来る滝山の姿が見えた。
「ちょうど良かった。助けてー!」
美琴は大声を出しながらバタバタと崩れた資材を拾ううち、さっき自分が感じた戸惑いの事はいつの間にか忘れてしまっていた。
美琴は目を閉じて、ゆっくりと息を吸った。
――副社長はいつも私を励ましてくれる。まるであのコバルトブルーの写真みたいに……。
美琴の瞼には副社長の笑顔に重なって、あの自然豊かな渓谷の風景が映っている。
――あれ……? 私、今どうしてそう思ったんだろう。
あのSNSは雅也のもの。
頭ではそう理解しているのに、どこかで引っかかるのは東の言葉を聞いたからだろうか?
美琴はそう考える自分に戸惑い、ふいに両手に抱える荷物を落としそうになった。
「わ……」
慌ててバランスを取ろうともがいていると、後ろからバタバタと駆けてくる足音が聞こえる。
「と、友野さーん……」
美琴が振り返ると、ちょうど息を切らしながらこちらへ向かって来る滝山の姿が見えた。
「ちょうど良かった。助けてー!」
美琴は大声を出しながらバタバタと崩れた資材を拾ううち、さっき自分が感じた戸惑いの事はいつの間にか忘れてしまっていた。