干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
証拠探し
「そういえば、さっきの話ですが」
俊介はデスクの上の書類を確認しながら、ソファでノートパソコンを操作する部長に声をかける。
「もうすぐ来ると思います……」
そう部長が答えるのと同時に、扉にノック音が響いた。
ゆっくりと開いた扉から顔を出したのは、メンテナンス部の男性社員だった。
「彼は以前、トータルの営業先横取りの件を報告してくれた、メンテ部の吉田です」
吉田は緊張気味に俊介に頭を下げる。
「あなたの事は覚えています。早速ですが話を聞かせて頂けますか?」
俊介はソファに腰かけると、吉田に向かいの席を勧めた。
「はい。先日、駅でたまたまトータルに転職した先輩に会いまして……。引き抜きの件が噂になっていたので、それとなく転職の経緯を聞いてみたんです」
「それで?」
「きっかけは、メンテナンスに行った先で会ったトータルの社員らしいんです。なので、うちの会社の人間が関わっているかは、わかりませんでした。ただ……」
「ただ?」
「先輩が変なことを言っていて。『お前も早いとここっちに来い』『先にいた方が出世できる』って……」
吉田の言葉に、俊介と部長ははっと息を呑む。
「それはつまり……トータルの最終的な狙いは……」
部長が俊介の顔を伺い、俊介は深く頷いた。
俊介はデスクの上の書類を確認しながら、ソファでノートパソコンを操作する部長に声をかける。
「もうすぐ来ると思います……」
そう部長が答えるのと同時に、扉にノック音が響いた。
ゆっくりと開いた扉から顔を出したのは、メンテナンス部の男性社員だった。
「彼は以前、トータルの営業先横取りの件を報告してくれた、メンテ部の吉田です」
吉田は緊張気味に俊介に頭を下げる。
「あなたの事は覚えています。早速ですが話を聞かせて頂けますか?」
俊介はソファに腰かけると、吉田に向かいの席を勧めた。
「はい。先日、駅でたまたまトータルに転職した先輩に会いまして……。引き抜きの件が噂になっていたので、それとなく転職の経緯を聞いてみたんです」
「それで?」
「きっかけは、メンテナンスに行った先で会ったトータルの社員らしいんです。なので、うちの会社の人間が関わっているかは、わかりませんでした。ただ……」
「ただ?」
「先輩が変なことを言っていて。『お前も早いとここっちに来い』『先にいた方が出世できる』って……」
吉田の言葉に、俊介と部長ははっと息を呑む。
「それはつまり……トータルの最終的な狙いは……」
部長が俊介の顔を伺い、俊介は深く頷いた。