干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「急な話ですが、お二人には本日からメンテナンス部所属ではなく、副社長室付としてプロジェクトに関わって頂きます」

「あ、あの……プロジェクトって、具体的に何を……?」

 滝山が、どもりながらも小さく声を出す。

 副社長は手元に持っていた資料を、机の上に広げた。


「今のレンタル事業に並ぶ、新規事業の立ち上げです。主には緑化事業です」

「緑化……? なんですか、それ?」

 美琴は、言葉の意味が全く理解できずに首を傾げた。

「オフィスのエントランスや店舗の『飾りつけ』と言えばわかりますか? それを植物、自社で扱っているグリーンで行います。ゆくゆくは大規模なイベント装飾のプロデュースまで……」


「ちょ、ちょっと待ってください!」

 美琴は副社長の言葉を遮り、慌てて身を乗り出した。
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