干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
本当のこと
雅也との待ち合わせは、駅の近くのカジュアルなレストランだった。
美琴が店の中に入ると、すでに雅也は窓際のソファ席で座って待っていた。
足を組み、頬杖をつきながら外を眺めるその姿は、いつ見ても艶っぽい。
イベントで作業してきた汗まみれの自分の姿が、少し恥ずかしくなる程だ。
「お待たせしてすみません」
美琴が手で髪を整えながら急ぎ足で近づくと、雅也はいつもの笑顔を見せる。
それでも心なしか、その瞳は寂しそうだった。
――エレベーターで話した時も、こんな目をしてた……。
美琴は雅也の様子を気にしながら、ゆっくりと向かいの席に腰かけた。
「まずは、イベント装飾の成功おめでとう」
「ありがとうございます」
雅也につられるように、美琴はワイングラスを持ちそっと傾けた。
「そうだ! 完成した写真、見せてよ」
「あ、はい!」
美琴はスマートフォンを取り出し、壁面装飾の写真を画面に映し出した。
「やっぱり素敵だね。植物で表現した動物たちが、ちゃんと息づいてる。あ、ブナの木に雪も付け加えたんだ。雰囲気出てるじゃない!」
雅也の言葉に、美琴はぱっと顔を上げる。
美琴が店の中に入ると、すでに雅也は窓際のソファ席で座って待っていた。
足を組み、頬杖をつきながら外を眺めるその姿は、いつ見ても艶っぽい。
イベントで作業してきた汗まみれの自分の姿が、少し恥ずかしくなる程だ。
「お待たせしてすみません」
美琴が手で髪を整えながら急ぎ足で近づくと、雅也はいつもの笑顔を見せる。
それでも心なしか、その瞳は寂しそうだった。
――エレベーターで話した時も、こんな目をしてた……。
美琴は雅也の様子を気にしながら、ゆっくりと向かいの席に腰かけた。
「まずは、イベント装飾の成功おめでとう」
「ありがとうございます」
雅也につられるように、美琴はワイングラスを持ちそっと傾けた。
「そうだ! 完成した写真、見せてよ」
「あ、はい!」
美琴はスマートフォンを取り出し、壁面装飾の写真を画面に映し出した。
「やっぱり素敵だね。植物で表現した動物たちが、ちゃんと息づいてる。あ、ブナの木に雪も付け加えたんだ。雰囲気出てるじゃない!」
雅也の言葉に、美琴はぱっと顔を上げる。