干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
泥船の浮上
「き、今日でこれを取り壊すなんて、もったいないよね」
突然、耳元で滝山の声が聞こえ、美琴ははっと我に返る。
今日は朝早くから、イベント会場に壁面装飾のメンテナンスに来ていた。
反応がない美琴の様子に、滝山が首を傾げる。
「ごめん。ちょっと考え事してた……」
美琴は、慌てて水やりの続きをするために手を動かすが、頭の中では昨夜の雅也との会話を何度も思い出していた。
自分はうまく、雅也を励ますことができたのだろうか。
そして……。
――じゃあ、SNSの人は誰なんだろう。
雅也がSNSの人でないとわかった今、その存在はまた闇の中に入ってしまったようなものだ。
再び美琴がぼんやりしていると、滝山が美琴の腕をグイっと引っ張った。
「み、見て見て! テレビカメラも入ってる」
滝山が指さす方に顔を向けると、マイクを持ったレポーターらしき女性とカメラマンが打ち合わせをする姿が見える。
「へえ」
美琴達がカメラの存在を気にしていると、その様子を見つけたイベント会社の女性が駆け寄って来た。
突然、耳元で滝山の声が聞こえ、美琴ははっと我に返る。
今日は朝早くから、イベント会場に壁面装飾のメンテナンスに来ていた。
反応がない美琴の様子に、滝山が首を傾げる。
「ごめん。ちょっと考え事してた……」
美琴は、慌てて水やりの続きをするために手を動かすが、頭の中では昨夜の雅也との会話を何度も思い出していた。
自分はうまく、雅也を励ますことができたのだろうか。
そして……。
――じゃあ、SNSの人は誰なんだろう。
雅也がSNSの人でないとわかった今、その存在はまた闇の中に入ってしまったようなものだ。
再び美琴がぼんやりしていると、滝山が美琴の腕をグイっと引っ張った。
「み、見て見て! テレビカメラも入ってる」
滝山が指さす方に顔を向けると、マイクを持ったレポーターらしき女性とカメラマンが打ち合わせをする姿が見える。
「へえ」
美琴達がカメラの存在を気にしていると、その様子を見つけたイベント会社の女性が駆け寄って来た。