干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
そして季節は春を迎える。
緑化事業部はテレビの反響から顧客を掴み、オフィス緑化やイベント装飾など、着実に実績を積んでいた。
ここ最近は緑化事業と言えば、トータルに並ぶ大手としてグリーンデザインが取り上げられる程だ。
「友野さん。この前のイベント実績のデータ見せてもらえますか」
「はい。えっとそのデータは……」
俊介が美琴に声をかけ、二人は一緒に画面を見ながらマウスを操作する。
時折顔を見合わせて笑い合う様子を見ながら、瑠偉が椅子だけを動かして健太に近づいた。
「あの二人が付き合ってるって、本当なんすね」
瑠偉の言葉に健太はチラッと目を上げ、仲睦まじく話す二人の姿を見上げた。
「まぁね。くっつくまでは色々あったけど。今じゃ社内公認って感じじゃない?」
すると胡桃が隣で、パソコンの画面から目も上げずに短く息を吐く。
「でも、副社長はいずれ会社を継ぐんですよね? 社内恋愛なんて社長が許すんですか?」
健太はもう一度、二人の姿を見つめる。
ずっと敵に囲まれて、一人で戦ってきた俊介。
あんなにも穏やかな顔で笑う姿を、今まで見たことがあっただろうか。
――このまま横やりが入らなきゃいいけど……。
健太が心の中でそうつぶやいた時、副社長室に電話の音が鳴り響いた。
緑化事業部はテレビの反響から顧客を掴み、オフィス緑化やイベント装飾など、着実に実績を積んでいた。
ここ最近は緑化事業と言えば、トータルに並ぶ大手としてグリーンデザインが取り上げられる程だ。
「友野さん。この前のイベント実績のデータ見せてもらえますか」
「はい。えっとそのデータは……」
俊介が美琴に声をかけ、二人は一緒に画面を見ながらマウスを操作する。
時折顔を見合わせて笑い合う様子を見ながら、瑠偉が椅子だけを動かして健太に近づいた。
「あの二人が付き合ってるって、本当なんすね」
瑠偉の言葉に健太はチラッと目を上げ、仲睦まじく話す二人の姿を見上げた。
「まぁね。くっつくまでは色々あったけど。今じゃ社内公認って感じじゃない?」
すると胡桃が隣で、パソコンの画面から目も上げずに短く息を吐く。
「でも、副社長はいずれ会社を継ぐんですよね? 社内恋愛なんて社長が許すんですか?」
健太はもう一度、二人の姿を見つめる。
ずっと敵に囲まれて、一人で戦ってきた俊介。
あんなにも穏やかな顔で笑う姿を、今まで見たことがあっただろうか。
――このまま横やりが入らなきゃいいけど……。
健太が心の中でそうつぶやいた時、副社長室に電話の音が鳴り響いた。