干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
星空の約束
「それにしても、瑠偉くんがあんな仕事を取ってくるなんて、びっくりしました。副社長は話を聞いた時から、予想してたんですか?」
美琴は俊介の隣を歩きながら、思い出し笑いをするかのように、ほほ笑んで言った。
夜はまだ寒さが残るものの、肌に当たる風はだいぶ柔らかく感じる。
さっきまでの副社長室の喧騒から離れ、二人きりで歩く夜道は美琴の心を落ち着かせた。
ふと俊介が何も言わずに足を止め、美琴は首を傾げながら振り返る。
俊介の顔は、口を尖らせて少し怒っているように見えた。
「え? 副社長?」
美琴は少し慌てた様子で、俊介の前に立った。
「美琴」
すると突然、俊介が美琴の手を握りながら名前を呼んだ。
美琴は名前を呼ばれたことにドキッとして、思わずぎゅっと強く手を握り返す。
「いつまで僕の事を、副社長って呼ぶ気ですか?」
俊介の言葉に、美琴は「えっ」と身体をのけ反らせた。
俊介と心が通じてから数カ月経つが、いまだに美琴は俊介を名前で呼べていない。
俊介は、二人きりの時は美琴の事を名前で呼ぶのだが、それだってまだ聞き慣れず、さっきの様に心臓が跳ね上がってしまうのだ。
「だ、だって。どうしても恥ずかしくなっちゃって……」
美琴は顔を真っ赤にしながら眉尻を下げ、思わずうつむいた。
美琴は俊介の隣を歩きながら、思い出し笑いをするかのように、ほほ笑んで言った。
夜はまだ寒さが残るものの、肌に当たる風はだいぶ柔らかく感じる。
さっきまでの副社長室の喧騒から離れ、二人きりで歩く夜道は美琴の心を落ち着かせた。
ふと俊介が何も言わずに足を止め、美琴は首を傾げながら振り返る。
俊介の顔は、口を尖らせて少し怒っているように見えた。
「え? 副社長?」
美琴は少し慌てた様子で、俊介の前に立った。
「美琴」
すると突然、俊介が美琴の手を握りながら名前を呼んだ。
美琴は名前を呼ばれたことにドキッとして、思わずぎゅっと強く手を握り返す。
「いつまで僕の事を、副社長って呼ぶ気ですか?」
俊介の言葉に、美琴は「えっ」と身体をのけ反らせた。
俊介と心が通じてから数カ月経つが、いまだに美琴は俊介を名前で呼べていない。
俊介は、二人きりの時は美琴の事を名前で呼ぶのだが、それだってまだ聞き慣れず、さっきの様に心臓が跳ね上がってしまうのだ。
「だ、だって。どうしても恥ずかしくなっちゃって……」
美琴は顔を真っ赤にしながら眉尻を下げ、思わずうつむいた。