干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
胸騒ぎ
国内最大規模の展示会の仕事が決まったことは、すぐに社内で大きな話題となった。
緑化事業部が立ち上がって以降、その仕事ぶりは社員の間でも注目を集めており、最近では緑化事業部への異動希望を出す者も現れている。
みんな自分たちが“泥船プロジェクト”と、呼んでいた事すら忘れている様子だ。
そしてその話題は当然、社長や朔人の耳にも入っていた。
「胡桃ちゃん、デザイン案ってどんな感じ?」
美琴は、パソコン画面を険しい表情で見つめている胡桃に声をかけた。
「えっと。一応、二案作ってみました……」
胡桃はそう言うと、パソコンの印刷ボタンを操作する。
プリンターから印刷されたカラー用紙を二枚取り出すと、そのままソファの前のローテーブルに並べた。
その様子に、自然とみんながソファに集まる。
「なんか……このソファも狭くなったな」
ぎゅっと七人で集まって座るソファは、ギシギシ音を立てながら深く沈みこんでいる。
「で、でも、密着してると安心感はありますよね」
「俺はタッキーじゃなくて、女の子と密着したいよ」
あははと笑いながら話す健太と滝山に冷たい視線を送ると、胡桃は咳ばらいを一つした。
緑化事業部が立ち上がって以降、その仕事ぶりは社員の間でも注目を集めており、最近では緑化事業部への異動希望を出す者も現れている。
みんな自分たちが“泥船プロジェクト”と、呼んでいた事すら忘れている様子だ。
そしてその話題は当然、社長や朔人の耳にも入っていた。
「胡桃ちゃん、デザイン案ってどんな感じ?」
美琴は、パソコン画面を険しい表情で見つめている胡桃に声をかけた。
「えっと。一応、二案作ってみました……」
胡桃はそう言うと、パソコンの印刷ボタンを操作する。
プリンターから印刷されたカラー用紙を二枚取り出すと、そのままソファの前のローテーブルに並べた。
その様子に、自然とみんながソファに集まる。
「なんか……このソファも狭くなったな」
ぎゅっと七人で集まって座るソファは、ギシギシ音を立てながら深く沈みこんでいる。
「で、でも、密着してると安心感はありますよね」
「俺はタッキーじゃなくて、女の子と密着したいよ」
あははと笑いながら話す健太と滝山に冷たい視線を送ると、胡桃は咳ばらいを一つした。