干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「あの、部長……。副社長室で使ってたカップって、どうしたんですか?」
美琴はさりげなく部長に声をかけた。
「あ? あれか?」
部長がデスクの下から顔を出す。
「あれは、俺のじゃないから戻してきたよ」
「戻すって? どこに?!」
「副社長室だよ。一時的に拝借してたんでな。あのカップがどうかしたか?」
美琴はドキッとしながら、慌てて首を振った。
「いえ。別に……」
美琴はそう答えながらも、頭の中にあの風景画が浮かぶ。
――副社長室に置いてあった? じゃあ副社長のカップ……なの?
美琴は最近開いていなかった、あのSNSの存在を思い出していた。
引っ越しからひと月、美琴は展示会の装飾の準備に追われている。
俊介も社長に着いて忙しく飛び回っているようで、ここ最近は会社で顔を合わせることも滅多になくなり、二人のすれ違いの日々は続いていた。
それでも時々夜遅くに俊介からメールが来ることがあり、朝起きてそれを見つけた日はフル充電されたように美琴は元気になった。
美琴はさりげなく部長に声をかけた。
「あ? あれか?」
部長がデスクの下から顔を出す。
「あれは、俺のじゃないから戻してきたよ」
「戻すって? どこに?!」
「副社長室だよ。一時的に拝借してたんでな。あのカップがどうかしたか?」
美琴はドキッとしながら、慌てて首を振った。
「いえ。別に……」
美琴はそう答えながらも、頭の中にあの風景画が浮かぶ。
――副社長室に置いてあった? じゃあ副社長のカップ……なの?
美琴は最近開いていなかった、あのSNSの存在を思い出していた。
引っ越しからひと月、美琴は展示会の装飾の準備に追われている。
俊介も社長に着いて忙しく飛び回っているようで、ここ最近は会社で顔を合わせることも滅多になくなり、二人のすれ違いの日々は続いていた。
それでも時々夜遅くに俊介からメールが来ることがあり、朝起きてそれを見つけた日はフル充電されたように美琴は元気になった。