干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
午前中、美琴は温室に向かう廊下を歩きながら、スマートフォンをそっと取り出しメッセージを開く。
昨夜も、俊介からのメッセージが入っていた。
“いよいよ展示会まで残り一カ月。忙しいだろうけど頑張って。美琴不足中……”
メッセージには、泣いた顔の絵文字が添えられている。
きっと俊介の方が忙しいだろうに、こうやって連絡をくれることが美琴は心から嬉しかった。
「よし! 今日も頑張るか」
美琴はスマートフォンを、後ろのポケットに押し込み気合を入れる。
勢いよく足を出そうとしたその時、美琴は急に肩をグイっと掴まれた。
驚いて振り返ると、目の前に俊介が立っている。
「え……」
美琴は、さっきまで思い描いていた俊介の姿が突然目の前に現れ、うまく言葉が出てこない。
俊介は走って追いかけてきたのか、息を切らしじんわりと汗ばんでいた。
「良かった。会えた……」
俊介はそう言うと、驚いてまん丸な目で棒立ちしている美琴を、ぎゅっと抱きしめた。
美琴は久しぶりに感じる俊介の心地よい体温に、そっと身をゆだねる。
――本物の副社長だ……。
美琴は、俊介の背中に回した手にぎゅっと力を入れて、はっと気がついた。
「ふ、副社長! ここ社内!」
美琴の声に、俊介は我に返った様子で慌ててぱっと手を離した。
昨夜も、俊介からのメッセージが入っていた。
“いよいよ展示会まで残り一カ月。忙しいだろうけど頑張って。美琴不足中……”
メッセージには、泣いた顔の絵文字が添えられている。
きっと俊介の方が忙しいだろうに、こうやって連絡をくれることが美琴は心から嬉しかった。
「よし! 今日も頑張るか」
美琴はスマートフォンを、後ろのポケットに押し込み気合を入れる。
勢いよく足を出そうとしたその時、美琴は急に肩をグイっと掴まれた。
驚いて振り返ると、目の前に俊介が立っている。
「え……」
美琴は、さっきまで思い描いていた俊介の姿が突然目の前に現れ、うまく言葉が出てこない。
俊介は走って追いかけてきたのか、息を切らしじんわりと汗ばんでいた。
「良かった。会えた……」
俊介はそう言うと、驚いてまん丸な目で棒立ちしている美琴を、ぎゅっと抱きしめた。
美琴は久しぶりに感じる俊介の心地よい体温に、そっと身をゆだねる。
――本物の副社長だ……。
美琴は、俊介の背中に回した手にぎゅっと力を入れて、はっと気がついた。
「ふ、副社長! ここ社内!」
美琴の声に、俊介は我に返った様子で慌ててぱっと手を離した。