干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
干物の宣言
「ねえねえ! 干物ちゃん! 副社長ってどんな感じ?」
美琴が休憩スペースでお茶を入れていると、突然後ろから女性社員に声をかけられた。
「どんなって言われても、まだよく……」
「そうなの?! 彼女いるのかとか、リサーチしといてよ!」
「そうそう! お近づきになりたいなぁ」
「干物ちゃんも今度一緒にお茶しない?」
ぐいぐいと迫ってくる女性社員に、愛想笑いを返しながら、美琴は慌ててエレベーターホールに出る。
――いやいや、その前にあなた達、誰よ……。
副社長のプロジェクトメンバーになった美琴は、一躍社内の時の人となっていた。
あわよくば、副社長夫人の座を狙いたい人達にとっては、美琴は格好の餌食だ。
急いでエレベーターの上りボタンを押しながら、ふと曲がり角の近くに目をやる。
――あれ……? 部長と専務?
部長は専務に一礼すると、くるっと向きを変え、美琴の方に向かって歩いて来た。
美琴が休憩スペースでお茶を入れていると、突然後ろから女性社員に声をかけられた。
「どんなって言われても、まだよく……」
「そうなの?! 彼女いるのかとか、リサーチしといてよ!」
「そうそう! お近づきになりたいなぁ」
「干物ちゃんも今度一緒にお茶しない?」
ぐいぐいと迫ってくる女性社員に、愛想笑いを返しながら、美琴は慌ててエレベーターホールに出る。
――いやいや、その前にあなた達、誰よ……。
副社長のプロジェクトメンバーになった美琴は、一躍社内の時の人となっていた。
あわよくば、副社長夫人の座を狙いたい人達にとっては、美琴は格好の餌食だ。
急いでエレベーターの上りボタンを押しながら、ふと曲がり角の近くに目をやる。
――あれ……? 部長と専務?
部長は専務に一礼すると、くるっと向きを変え、美琴の方に向かって歩いて来た。