干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「どういう事ですか? 見合いだなんて聞いていません!」
俊介は、先をさっさと歩く社長を追いかける。
「お前に言えば必ず断る話だろう? これはうちにとって願ってもない提案なんだ。グリーン業界において鷺沼造園の力は強大だ。鷺沼の後ろ盾があれば、トータルなんか比じゃなくなる」
「社長……いえ、お父さん。本気で言ってるんですか? よく考えてください。鷺沼がうちを残すと思いますか? 鷺沼のグループに入るどころじゃない。きっと吸収されますよ。結局はトータルと同じことになる」
「ばかな。鷺沼社長はうちを残すと言ってくださってる。お前が鷺沼に婿養子に入ることを条件としてな。グリーンデザインは朔人に継がせる。これでお家騒動も一件落着だ」
「婿養子……?!」
大きな声で笑い声を立てる社長の顔を見つめながら、俊介は耳を疑った。
――裏で勝手に、そこまで話を進めていたのか……。
俊介がグリーンデザインを離れることになれば、社員を守れなくなるだけでなく会社の存続すらも危うくなるかも知れない。
そして何より……。
「俺は、美琴の事も守れなくなる……。美琴を失ってしまう……」
俊介はさっさと車に乗り込む社長の背中を見つめ、大きく拳を自分に叩きつけた。
俊介は、先をさっさと歩く社長を追いかける。
「お前に言えば必ず断る話だろう? これはうちにとって願ってもない提案なんだ。グリーン業界において鷺沼造園の力は強大だ。鷺沼の後ろ盾があれば、トータルなんか比じゃなくなる」
「社長……いえ、お父さん。本気で言ってるんですか? よく考えてください。鷺沼がうちを残すと思いますか? 鷺沼のグループに入るどころじゃない。きっと吸収されますよ。結局はトータルと同じことになる」
「ばかな。鷺沼社長はうちを残すと言ってくださってる。お前が鷺沼に婿養子に入ることを条件としてな。グリーンデザインは朔人に継がせる。これでお家騒動も一件落着だ」
「婿養子……?!」
大きな声で笑い声を立てる社長の顔を見つめながら、俊介は耳を疑った。
――裏で勝手に、そこまで話を進めていたのか……。
俊介がグリーンデザインを離れることになれば、社員を守れなくなるだけでなく会社の存続すらも危うくなるかも知れない。
そして何より……。
「俺は、美琴の事も守れなくなる……。美琴を失ってしまう……」
俊介はさっさと車に乗り込む社長の背中を見つめ、大きく拳を自分に叩きつけた。