干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
部長は一旦俊介から目線を外し、しばし逡巡した後にもう一度俊介を鋭く見つめ直した。
「干物を守れないんなら、もうあいつを離してやってくれませんか?」
俊介は一瞬息を呑むと、そのままじっと部長を見つめる。
無言のまま向かい合う二人に、滝山がオロオロと横から顔を覗かせた。
「……失礼します」
しばらくして、俊介は部長から目を逸らすと、そのまま部屋を後にした。
俊介が静かに出て行くのを見届けて、滝山が部長を振り返る。
「ぶ、部長。あんな事言っていいんですか?」
滝山は今にも泣きそうな顔をしていたが、部長はその問いには何も答えず、うつむいたままデスクに戻った。
俊介は拳をぐっと握りしめ、エレベーターに乗り込む。
頭の中ではついさっき部長が放った言葉が、何度も繰り返し響いていた。
――この状況を打開する策もない俺には、美琴を守る資格がないって言うのか……?
この二週間、俊介もあらゆる方法を考えてはいた。
だが、打開策になりうるのではないかと思う方法も、今の段階では現実的でなかった。
エレベーターはポンと音を立て、エントランスの階に到着する。
俊介は心の中を整理できないまま、フロアに降り立った。
「干物を守れないんなら、もうあいつを離してやってくれませんか?」
俊介は一瞬息を呑むと、そのままじっと部長を見つめる。
無言のまま向かい合う二人に、滝山がオロオロと横から顔を覗かせた。
「……失礼します」
しばらくして、俊介は部長から目を逸らすと、そのまま部屋を後にした。
俊介が静かに出て行くのを見届けて、滝山が部長を振り返る。
「ぶ、部長。あんな事言っていいんですか?」
滝山は今にも泣きそうな顔をしていたが、部長はその問いには何も答えず、うつむいたままデスクに戻った。
俊介は拳をぐっと握りしめ、エレベーターに乗り込む。
頭の中ではついさっき部長が放った言葉が、何度も繰り返し響いていた。
――この状況を打開する策もない俺には、美琴を守る資格がないって言うのか……?
この二週間、俊介もあらゆる方法を考えてはいた。
だが、打開策になりうるのではないかと思う方法も、今の段階では現実的でなかった。
エレベーターはポンと音を立て、エントランスの階に到着する。
俊介は心の中を整理できないまま、フロアに降り立った。